肘の痛みとは?
肘の痛みは、多くの人が経験する症状であり、スポーツや日常生活の動作に支障をきたすことがあります。肘関節は、腕を動かすために非常に重要な役割を果たしており、その為多くの負担がかかりやすい部位です。早期に適切な診断と治療を行うことで、症状の悪化を防ぎ、日常生活の質を向上させることができます。
肘の痛みの主な原因
①テニス肘(外側上顆炎)
テニスをしている人に多く見られるためこの名前がついていますが、実際にはテニスをしていない人でも発症することがあります。
肘の外側に痛みが生じることが特徴で、手首を使う動作や物を持ち上げるときに痛みが強くなります。
②ゴルフ肘(内側上顆炎)
ゴルフをしている人に多く見られるためこの名前がついていますが、実際にはゴルフをしていない人でも発症することがあります。肘の内側に痛みが生じることが特徴で、手首を使う動作や物を持ち上げるときに痛みが強くなります。
③肘関節炎
肘の関節が炎症を起こすことで痛みが生じます。関節リウマチや外傷が原因となることがあります。
④靭帯損傷
スポーツや事故による外傷で肘の靱帯が損傷することで痛みが生じます。特に野球や投擲競技のアスリートに多く見られます。
⑤神経障害
肘の神経が圧迫されることで痛みが生じることがあります。特に尺骨神経障害(肘部管症候群)や、橈骨神経障害(橈骨神経麻痺)
が多いです。
肘の痛みの症状
肘の痛みの症状は、原因によって異なりますが、主な症状には以下のものがあります。
・肘の痛み
・肘の張れ
・関節音(クリック音やきしむ音)
・肘の可動域の制限
・肘のこわばり
・神経障害によるしびれや感覚異常
肘の痛みの診断
肘の痛みの診断は、患者の症状や病歴をもとに行われます。身体検査や画像検査(レントゲン、MRI、超音波検査)を組み合わせて、原因を特定します。また、神経障害が疑われる場合には、神経伝導速度検査が行われることもあります。
肘の痛みの治療方法
肘の痛みの治療方法は、原因や症状の重さに応じて異なります。主な治療方法には以下のものがあります。
保存的治療法
①薬物療法
痛みを軽減するために、消炎鎮痛薬やコルチコステロイドの注射が行われます。
②装具療法
肘をサポートする為の装具やブレースを使用します。
③生活習慣の改善
正しい姿勢の維持や適切な運動が重要です。また、痛みが強い場合は一時的に休息をとることも必要です。
④徒手療法
マッサージや、筋力強化、関節の柔軟性を改善するためのリハビリを行います。
手術
保存的治療で十分な効果が得られない場合や、症状が重い場合には手術が検討されます。主な手術には、以下のようなものがあります。
①関節鏡視下手術
小さな切開を行い、内視鏡を使用して関節内の修復や清掃を行います。
②靱帯再建術
損傷した靱帯を修復する為の手術です。特にスポーツ選手に多いです。
③神経解放術
圧迫されている神経の解放するための手術です。
肘の痛みの予防
肘の痛みを予防する為には、以下の点に注意することが重要です。
①適切なストレッチとウォームアップ
スポーツや運動をする前に、しっかりとストレッチやウォームアップを行い、筋肉や関節を準備しましょう。
②正しい姿勢とフォーム
スポーツや日常生活の動作において、正しい姿勢とフォームを維持することで、肘への負担を軽減することができます。
③適切な道具の使用
スポーツや作業において、自分に合った道具を使用することで、肘への負担を減らすことができます。
④休息とリカバリー
運動や作業の後に十分な休息をとることで、筋肉や関節の回復を促進し、肘の痛みを予防することができます。